1.はじめに
この作品については、過去2009年に当ブログにて一度書いています。確か先月いっぱいくらいまででしょうか、BS日テレの土曜日の午後に火曜サスペンス劇場の再放送をやっていてエド・マクベインの『87分署シリーズ』をドラマ化した渡辺謙主演の『わが町』シリーズをしばらくオンエアしていました。自分の中では思い出深いエピソードである『クレアが死んでいる』がもとになっている『わが町�察戮鬚燭泙燭浚僂燭箸�に「あれっ?こんな話だったかしら??」とふと心に引っかかるものがあり、これを機会に原作を読むことにしました。これまで映画やドラマ化された『クレアが死んでいる』は、もともと私の中ではそれぞれが独立した作品であり、これらが同じ原作だったということはかなり後から気づいたのでした。それが2009年のことです。
2.原作
原作はエド・マクベインの『87分署シリーズ』。『クレアが死んでいる』(1961年)は、バート・クリング刑事の婚約者であるクレア・タウンゼントが銃乱射事件に巻き込まれて死んでしまう話。翻訳版は早川書房から出ているが、amazonではほとんど古書クラスのものが中古で売られている感じだったので、区の図書館で借りました。ところが、その本もとても古くて、昭和48年(1973年)に発売されたものでほぼ47年前くらい。紙焼けしていて、文字がとても小さい。「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」などが大文字で多少読みづらかったりするが、内容はしっかりしていてすらすらと読み進むことができました。

3.テレビドラマと映画
日本で映画やドラマ化されたものは、すべて翻案です。ですから、それらの設定や話の筋も違うのも当たり前と言えば当たり前ですが、刑事の婚約者が死んでしまうというインパクトがおぼろげに各作品を私の脳裏の中でつなげていたという感じです。以下がまとめたものですが、私は順番的には「1」➡「3」➡「2」➡「原作」という流れで触れたことになります。| No. | タイトル | カテゴリー | 公開/オンエア | 主演(スティーブ・キャレラ役) | 共演(バート・クリング役) | 共演(クレア役) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 87分署シリーズ・裸の街/「泰子が死んでいる」 | テレビドラマ | 1980年 | 古谷一行 | 岡本富士太 | 青地公美 |
| 2 | 幸福 | 映画 | 1981年 | 水谷豊 | 永島敏行 | 中原理恵 |
| 3 | わが町�� | テレビドラマ | 1996年 | 渡辺謙 | 川野太郎 | 海野けい子 |
その後『わが町�察戮魎僂討皀┘鼻Ε泪�ベイン作品との関連性などにはまったく気づかずに時は流れて、この3本が私の中でひとつにまとまったのは市川崑監督作品の『幸福』がブルーレイ発売された2009年のときです。市川崑監督のこだわりでいわゆる"銀残し"という技術(日本由来の技術だがハリウッドでも『セブン』『マイノリティ・リポート』などのメジャー作品でもおなじみ)で製作された作品で、公開後はほとんどテレビ放映もありませんでしたが、2009年のブルーレイ発売を記念して日本映画専門チャンネルで放映されたとき、解説でエド・マクベイン原作との関連を知って頭の中で整理がついた次第です。
さて原作を読み終わってみての感想ですが、1の『87分署シリーズ・裸の街』は記憶が薄いので比較できませんが(ただ銃乱射事件の舞台が原作通り、本屋だったような記憶はある)、『幸福』がいちばん原作に近いと感じました。主人公の家族設定こそ脚色されていますが、クレアのバックグラウンド(社会福祉に携わっている大学生)や被害者のダイイング・メッセージから犯人にたどり着くあたりの基本的な部分はしっかりと踏襲されている。銃乱射事件が無差別的なものなのか、被害者のうちの誰かを狙ったものなのかがわからないまま捜査は始まり、実はクレアが狙われたのではないかというポイントをうまく引っ張って、読者をミスリードしていくところが秀逸。逆に『わが町�察戮郎�約者を殺された刑事の暴走的な復讐劇に偏り過ぎてしまい、そこに所轄と本庁の対立とか色んなことを詰め合わせたため話が散漫してしまい少しもったいないエピソードとなってしまった感がありました。原作を読むことで、3作のポジショニングをようやく理解できました。
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4.余談
私が大ファンだった青地公美さんは、もう59歳とのこと。お嬢さんがタレントとして活躍しています。TVでは梅酒のCMが印象的です。『87分署シリーズ・裸の街』は、エンディングテーマである町田義人の『愛』が名曲です。
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