『相棒』を観てきました。実は昨日観ようと劇場に行ったところ予想通りの混雑ぶり。なるべくよい席で観たかったので、席だけ予約して今日観賞することにした。
おそらくここ数年で、東映としては久々の大ヒット作品になるはずだ。東映は、東宝に比べたら格段に配給力が弱くまた都市部に綺麗な劇場を持たないので、なかなか若者向けのトレンディな作品に恵まれない。ここ最近のヒットは、アニメや子供向け作品を除けば「バトル・ロワイヤル」と「鉄道員」くらいではないか。なので、今回の「相棒」の大ヒットは、きっとお祭り騒ぎのはず。今日の劇場の入りをみたら、50億円はいくのではないかなんて思ってしまった。このヒットはシネコンの増加・台頭とメディアミックスのなせる業。東映の作品が東宝シネマズで上映される時代なのだ。あとはTV朝日が辛抱強く再放送して、本来の作品の面白さが幅広い層に伝わったのだろう。
私が観賞した川崎。予想通り半数以上が年配客だ。杖をついている老人も多い。実は邦画の好調を支えているのはこの人たちなので、恐るべしだ。よって彼らを否定するわけではないのだが、劇場全体に「加齢臭」が漂っているのだ。これにはまいった・・・老人の方などはTVを観る感覚で、映画を観ながら話し出すのではないか???などと心配したがそれは大丈夫だったようだ。

さて本編は・・・もともと派手なキャストを使ったシリーズではなく、作品本位の映画だから「二時間ドラマ」を超えたスケールと重厚さは作品の重みで出すしかない宿命。それはある程度合格点を与えていい面白さだったと思う。シリーズの集大成的な意味で、主な登場陣(レギュラーに加えて、たまに出てくる面々)を総出演させているので、総花的になるとまとまりの無い作品になる恐れがあったが、それぞれのキャストの出番や役割を限定してうまくまとめていたので、よく出来ていたと思う。作品は、劇場で観て楽しんでいただきたい。
このシリーズは、「反体制」がメインテーマ。キャリアの杉下とノンキャリの亀山の組み合わせは、ともすれば「踊る大捜査線」の室井と青島と対比しがちだが、「相棒」は二人ともアンチ体制120%で動いている分、すがすがしく感じるのかもしれない。室井管理官は、体制側での苦悩がにじみ出ているのが特徴だ。
今回も数年前に起きた実際の事件を彷彿させる重いテーマにメスを入れている。「相棒」の第一回は確か、杉下の上司が拳銃密売人と結託して、嘘の摘発を繰り返していた事件がテーマだが、これも過去日本で実際起こった事件である。「相棒」のテーマは、意外と過去に起きた事件でかつ体制が関わっているものを掘り下げているストーリーが多いと改めて感じた次第。
TVはハイビジョン放送なので、今回のフィルムのテイストと少し趣が違い、映画ではいつものお約束の「掛け合い」が抑え気味だ。それだけ事件のスケールが大きい、ということを観る側に意識させようという意図が見えていた。

邦画も量産傾向で、ピンきりの中、最近の中ではきわめてまじめに製作者の意欲を感じた作品である。