
外国人留学生の育成の話が先行で報じられていたのですが、結局のところ、全体の制度改正に踏み込むようなニュアンスの内容になっています。これについては各紙が報じています。
対抗戦とリーグ戦統合!?日本ラグビー協会幹部「ゼロベースからの議論」
大学ラグビー改革へ、作業部会新設 大学とTL二重登録も議論
大学ラグビーの抜本的改革目指し検討作業部会設立へ
そもそも制度改正の主旨は何なのでしょうか?
"改革"と言うからには、まずは改革するべき課題や問題点が提示されて、次に目指すべきゴールが示されるべきだと思いますが、今一つ腹に落ちるものがありません。
先に外国人留学生のトピックがニュースで出たので、それと関連付ければ、日本代表となる選手を早期から育成するために、主に大学の試合形式の年間プログラムを大きく変えることで、その目的を達成するということでしょうか?
いずれにしても、まずは現状の問題点や今後の目標を明確にして、それに対応する具体策が提示されない限りは、今まで通りの曖昧なままの「弥縫策」が繰り返される恐れもあり、まずはここ10年くらいのレビューはあってもいいのかなと個人的には思います。
例えば、関東対抗戦/関東リーグ戦の視点から見れば、交流戦的な位置づけの「春季大会」や試合数を増やした大学選手権の「セカンドステージ制」は、どう評価しているのか。チーム育成の観点と有料の試合数増加に伴うフィナンシャルな分析(観客動員の効果や各校の利益と支出などの興行的価値)をどう評価しているのか。関西リーグについては、ムロオ社のスポンサードの効果はどの程度あったのかなど。
そんな評価が一般にはオープンにならないまま、今年の大学選手権は「スケジュールの都合」とやらで、トーナメント制に戻ってしまいました。
例えば、今回「対抗戦とリーグ戦統合!?」とか出ていますが、これに実質的な意味があるのでしょうか。
関東対抗戦/関東リーグ戦の上位校中心にみれば、4月-6月まで春季大会と招待試合があり、期末試験を挟んで8月に夏合宿で主要な大学と試合が組まれて、9月から関東対抗戦/関東リーグ戦が始まり、そのまま大学選手権に流れていきます。招待試合を入れれば、ほぼ対抗戦/リーグ戦と主要な関西勢とは公式戦が始まる前に試合は組まれていて、試合経験を積むという観点からの目的は、毎年一定レベルで達成されていると思います。
もし根本的な改革というならば、大学の試合のスケジューリングの改定や対抗戦/リーグ戦/関西リーグを一つにしてトップリーグ方式にしてしまうというレベルならば理解できます。
スケジューリングに関しては、大学の公式戦を11月上〜中くらいに終わらせてしまうくらいのインパクト。伝統校の"定期戦"の日程を完全に白紙にして組み直すやり方です。開幕戦に早慶戦や早明戦をもってくるとか。"定期戦"の日程で長らく年中行事にされているオールドファンにとっては、とっても刺激的な話になるとは思いますが…
対抗戦/リーグ戦/関西リーグを一つにした場合、A/B/Cの2部か3部にわけての総当たり戦。Aのプレーオフが実質的な大学選手権に相当するようなイメージです。
今頃、大学の制度改革が言われるようになっているのはなぜでしょうか。
一つは、大学の4年間がマクロで見た場合、「モラトリアム」的なものになって選手育成上、有効ではないという見方があるのかもしれません。
ただ、日本のラグビー全体で見るところの"興行的価値"が対抗戦の伝統校のカードや大学選手権にいまだに認められる試合がいくつかあるので、そこに手を入れることができるのかどうか。要は、当たり前のように存在した早慶戦や早明戦が公式戦でなくなることも将来有りうるようなドラスティックな方法を断行できるかどうか。
大学とTL二重登録の問題もあります。育成の観点から見れば、学生とTLやスーパーラグビーを兼ねるのもありだとは思いますが、企業力のあるTLチームに集中的に青田買いされる可能性もあり、一定のルールは必要です。
いずれにしても、「抜本的」「ゼロベースから」と謳っているのですから、今回は、運営側の"本気度"が問われるところです。
100%できるとは期待していませんが、まずは、わかりやすい、明確なビジョンを示すこと、それに尽きます。
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