アカデミー賞授賞式に先駆けて発表されるアメリカの「最低映画賞」イベントのラズベリー賞(ラジー賞)。この賞自体は、かなりイベント的に盛り上がっていて、ポール・バーホーベン監督などは、「ショーガール」で選ばれた際に授賞式にやってきたりしたものだ。7部門に輝いた「バトルフィールド・アース」なんかは、「ラジー賞7部門受賞」をビデオの際のキャッチコピーにしていたり、何かと楽しい賞でもあるのだ。
それにあやかってか、日本版ラジー賞の発表がありました。

日本人が選ぶ2007年の最低映画は!?
文春きいちご賞発表

2008/02/21
 週刊文春恒例、年間の最低映画を選出する「文春きいちご賞」が決定した。21日発売の同誌で上位10本の発表、ならびに選出理由が記事になっている。2007年の輝かしい(?)トップ受賞を果たしたのは、チンギス・ハーンが主人公の『蒼き狼 地果て海尽きるまで』。以下、2位『恋空』、3位『ラストラブ』、4位『愛の流刑地』5位『監督・ばんざい!』と続く。今年で5回目にあたるが、これまでは年明けに発表。今年から、本家本元の米国の最低映画賞、ラジー賞に合わせて2月下旬の発表となった。

 『蒼き狼〜』は、他を大きく引き離しての堂々(?)の受賞だ。大ヒットした『男たちの大和/YAMATO』に次いで角川春樹プロデューサーが世に放った作品。スケール感はあったが、アナクロ感は否めなかったか。きいちご賞の選考委員ではないが、あるCSチャンネルの番組編成者は、「日本人俳優が日本語をしゃべってモンゴル人を演じるのは無理な気がした。あの時代にしてはやけにきれいな背景描写も、違和感がある。トップ受賞は妥当ではないか」と言う。

 2位の『恋空』は、若い人には意外かもしれないが、これも妥当な位置だろう。洋画配給会社の営業担当者は、「主人公の女の子が、あまりにタフ。レイプされようが、妊娠しようが、全くめげない。強いて言えば、ハリウッドのヒーローものみたいな感じ」と苦笑する。

 といった具合の選出なのだが、今回、邦画に偏りすぎているのが気になる。まるで邦画のワースト・オンパレード。洋画とくにアメリカ映画は、ワースト候補がもっと多かったのではないか。きいちご賞まで邦画優先となると、逆に邦画への関心の高さを感じてしまう。来年こそ、もっときいちご賞で話題となる洋画の登場を期待したいところだ。

【文春きいちご賞】
1位『蒼き狼 地果て海尽きるまで』
2位『恋空』
3位『ラストラブ』
4位『愛の流刑地』
5位『監督・ばんざい!』
6位『どろろ』
7位『西遊記』
8位『俺は、君のためにこそ死ににいく』
8位『HERO』
10位『インランド・エンパイア』
10位『殯(もがり)の森』
<ここまで>

邦画はあまり観ないので実は「HERO」以外は観ていない。確かに1位の『蒼き狼 地果て海尽きるまで』は、歴史設定と配役、日本が作る意味にあまりにGAPがあった作品だろう。角川春樹が「YAMATO」に続いて二匹目のドジョウを狙ったものだが、今の時代、そう簡単にはいくわけがない。『恋空』『どろろ』『西遊記』『HERO』などは、興行的には成功しているので、メディアミックスの力が作品を上回ったということを物語っている。