今日は『HERO』を観てきました。場所は川崎。チネチッタに行くも、良いロケーションの座席が無く、オプション2としてTOHOシネマズへ。ここは、どうしてもチッタに比べると自社系列のラインナップに縛られるので、ある意味穴場的な劇場だ。予想通り、いい席を確保できた。
さてさて、期待の本編。「期待」と書いたのは、知人の関係者の試写の評価が高かったから。業界筋の評判は、ビジネスレベルを基準とするので、ある意味信頼できる。
尺数は130分と長め。TV特番との差別化を意識したのかもしれない。
全体としてのまとまりはとても良く、ある意味中学生から大人まで楽しめる「優しい」作りになっている。サスペンス好きで、法廷劇が本当に好きだ、という方には逆に薦められない。なぜなら、『HERO』は、人間の偶像劇であり、謎解きや検察、弁護士のイデオロギーなどはある意味、オマケだからだ。ネタバレになるので、多くは語らないが、もう少しきめ細か抑えてもらいたかったポイントをいくつか・・・
●『HERO』の“お約束”と言えば、同時進行で取り調べられている他の犯罪者が結果的に好リリーフをすること。今回もそのエッセンスがあるのだが、もう少し丁寧かつうまく盛り込んで欲しかった。私は途中でわかってしまった。
●九利生と対峙する弁護士の蒲生(松本幸四郎)。立場を変えた正義 VS.正義の対決なのだが、あまりにイデオロギーに傾倒しすぎて描かれており、本来の蒲生の持っているだろう「名誉」などが希薄で「善人」として描きすぎかなと感じる。彼の設定は、「無罪獲得率No.1」の切れ者弁護士。ただその切れ者が、「手段を選ばずに無罪を勝ち取ってきた」弁護士なのか、冤罪を憎む超正義派弁護士なのかの、キャラクター設定が弱かった。安直に鍋島次席検事との「同期」という設定もつけてしまったため、なおさら役割が難しかっただろう。
●韓国ロケは、オマケ。ラストシーンを成立させるためのエッセンス。
●中井貴一と綾瀬はるかは、蛇足かな。この部分は、映画を長く感じさせるだけで、さして重要な役割ではなかった。ここでも中井は特番から更に“善意”の殺人犯となっている。綾瀬の検事としての成長は、感じさせるシーンは無い。
などなど。
細かい事を言うとキリがないが、それでも映画としての仕上がりは良く、CXお得意のメディアミックスにより、大ヒットは間違いなしの状況だろう。
ハリウッド映画と違い、国内の映画興行だけで十分黒字となる。あとのDVDやTV放映権料などは丸儲けのビジネス。少し、日本の映画ファンは踊らされていないか。