
マークスの山 DVDコレクターズ・BOX (3枚組)
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WOWOW放映版をDVDでチェックした。原作は高村薫の直木賞受賞作品で、出色の刑事サスペンスである。
私は原作の大ファンで、その後松竹で映画化された作品も鑑賞したが、さすがにこの大作を2時間程度の尺に収めるのは困難だったようで、かなり掻い摘んだ感じのサスペンスというレベルだった。
それをWOWOWが5話で連続放送するというのだから、さすがに期待した。最近のWOWOWのドラマは中々出来が良い。「空飛ぶタイヤ」は、社会派ドラマとしてはかなりの傑作だったし、「長い長い殺人」も良くできたサスペンスだった。ちなもにどちらも仲村トオル主演というのが面白い。観たかったらお金を払って加入契約してください、という自信があるかのようなクオリティを持っているのだ。
さてWOWOW版「マークスの山」だが、ストーリー展開は丁寧に作っているのが伝わったが、残念ながら長尺のメリットを生かしきれず、原作のディティールにいまひとつ踏み込めなかった感があった。
特に主人公(高良健吾)の生い立ちから、恐喝犯、殺人犯とエスカレートしていく乾いた冷酷さのような部分がいまひとつ切れが無く、少し精神に異常をきたした「イイヤツ」な犯人役にしか見えなかったのが残念。
映画版の萩原聖人は、当時「CURE」の前の作品で、キレた役柄としては彼のほうがマッチしていたでしょう。恐喝電話のシーンが代表的。映画版は「マークスだ」と威圧的な態度に対し、WOWOW版は「マークスです」と礼儀正しいのだ。
あとは、恐喝されるMARKSのエリート5人、特に主役級の小日向文世は、今が役者としてのトレンドとは言え、この役には線が細すぎた。この5人がゆすられる件も、まだ映画版の方がしっかり描いていて(=特に山登りというこの作品のテーマときちんと連動させていた)、逆にドラマの方が、脚色しすぎていて、希薄だったのが残念。
なので結末知っているからドラマの肝となる、そのあたりを深堀してほしかったなというのが感想でした。
結論、原作がいちばん面白い。
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