ジャパンラグビー トップリーグ2021

1. コカ・コーラ廃部

コカ・コーラ レッドスパークスの活動終了については、参入予定だった来期の新リーグを前にした廃部発表であり、前触れのない突然のニュースでそれだけインパクトがありました。九州はラグビー強豪校である東福岡をはじめ、名門の大分舞鶴や佐賀工、長崎北陽台や多くのラグビースクールがあり、私の中ではラグビーが盛んな土壌のイメージが強く、活動縮小検討が予定されている宗像サニックスに続いてコカ・コーラの廃部は地元ラグビー界にとっても痛手ではないだろうかと思います。また、選手の去就も気になります。明治から進んだ猿楽君、三股君、久原君についてもプレーできる新天地が見つかることを祈るばかりです。セブンズ日本代表を引っ張ってきた桑水流裕策選手は引退を決めたとの事で残念です。コカ・コーラは、ラグビーマガジンの別冊付録の選手紹介のコピーが秀逸で毎年楽しみでした。これが見られなくなるのも寂しい限りです。





2. 新リーグ構想への影響は

今一つ盛り上がらない、情報が少ない・・・新リーグ
世の中がコロナ禍ということもありますが、新リーグに対する期待感が一向に高まらない。それとは裏腹に今季多数来日した海外のスタープレーヤーが魅せるパフォーマンス等、日々繰り広げられている試合はとても面白く、この現状から来期への変化がイメージできない。結局のところ、新リーグについては情報が少なく、意思決定に密室感を感じてしまっているのが現実。新リーグ法人準備室長だった谷口さんの突然の解任(兼務だった審査委員長職は続けられる)など協会内部のゴタゴタや宗像サニックスの活動強化縮小のニュース、そしてコカ・コーラの廃部・・・と明るいニュースはほとんど目に入ってこない。こういうニュースを前にすると、日本の社会人ラグビーや企業スポーツの位置づけというものを改めて考える機会になる。日本の社会人ラグビーはプロリーグではなく、チームは、プロ契約の選手、親会社などの社員の選手、契約で来日した外国人選手などさまざまな形態の選手が混在しながら組織として形成されて、その位置づけは、思いつくところ「企業の広告塔たるべき存在のチーム」、「スポーツを通じた社会貢献を意義として存在するチーム」、「社員や所属選手の福利厚生の一環として存在するチーム」などいろいろあると思います。いずれにしても企業色の強かった25チームが集まって、共通の理念や目的のもとで、おそらくは将来のプロ化を目指してスタートするのが新リーグだと個人的には理解していました。
※谷口室長解任に関する記事

「均衡試合」と「チームの事業性」、そして"持続可能なチーム"へ
■参入要件
昨年1月に協会から参入要件が示された。「事業機能を持つこと」「チーム名には地域名を入れる」「ホームスタジアムを確保する」「ディビジョン1は毎試合15,000人の観客動員が目標」などが骨子で、イメージとしては"独立採算"で"地域密着型"のチーム作りの中で、毎試合がスリリングな"均衡試合"を生み出していく。大義は「より質の高い国内リーグへの再編」「親企業依存体質からの脱却」「地域社会に根差した持続可能なリーグの育成」というところで、その旗のもとにポジションの違う25チームが集まったところまでは良かったと思うのだが、発表された参加要件は、審査の基準というよりは「各クラブの努力目標」に近い内容とも言われ、その後25チームを3つのディビジョンに分けるあたりから揉めたようだ。
※参入要件について

■3つのディビジョン
3部構成となるディビジョンや大会フォーマットは今年1月に発表された。上から「12、7、6」チームというフォーマットで、ディビジョン1が半数を占めるいびつとも思えるフォーマットとなった。審査委員会が各チームの事業計画に点数をつけ、昨年末から今年始めにかけて、チームごとの暫定順位を伝えてきたとのこと。事業計画は審査の比重の8割を占めるとのことだった。この通達以降、谷口さんへの反発が高まったらしい。最終的に審査内容が公表されるかどうかはわかりませんが、「均衡試合」という観点からはディビジョン1の「12」は多いような気がするし、ディビジョン2まではホームスタジアムの確保の要件は満たさなくてはならないということで、このハードルも高い。かつて揉めに揉めたオリンピックのマラソン代表選手の選考基準の曖昧さではないが、スタートから禍根を残さないためにもここは直近のトップリーグの戦績を一番のプライオリティとして選定しても良かったと思います。現状、強いチームほどインフラが充実していて、要件のミスマッチが少ないと思えるからです。ただしチーム数は、均等化するというのが大事で、「12、7、6」チームだとディビジョン1とディビジョン2&3が完全に2極化して後者が事業運営上苦しむのは何となく予測がつく。だからディビジョン1の「安全地帯」に入ろうと各チームが必死になるのもわかる。ラグビーという番狂わせの少ないスポーツの特性、完全プロ化ではないリーグ、現状は自由競争の選手獲得などの観点からマーケティング、運営にかなりの予算と労力を割かないとディビジョン2以下は上のディビジョンに上がれないだろうし、独立採算での運営は早晩立ち行かなくなるからだ。これまでの親会社が負担してきたチームの運営予算と今後ホームスタジアムを確保して独立採算を目指す新リーグへの予算拠出を比較衡量すれば、ディビジョン2以下での参入にメリットを感じなくなる企業も当然出てくるのではないだろうか。
「関係者によると、成績が低迷したここ数年は強化に消極的で、他チームとの合併案も浮上していた」「2部以下は支援する企業にとってメリットが小さく、強豪との財政、強化の格差は大きい。コロナ禍で企業が本業不振に陥るケースもあり、福岡県内にあるサニックスも規模縮小の方針。かねての懸念があらわとなり、ラグビー界に与える衝撃は大きい。」(報知新聞)にあるように、コカ・コーラの企業としての意思決定も理解できるし、今後も同じようなチームが出てくるかもしれません。もし協会としてチームの合併、離合集散なども想定しているのなら、それは新リーグスタートより前に地ならししておくべきことではないかと思います。いざ始めてから、脱退するチームや合併するチームが出るのを待って、一部のチームを淘汰して収斂していくのを目指すのなら、それは悪手だと思います。
■チームの具体的な地域は?
「地域密着型」を謳いながら、参入予定の25チームがアナウンスされたときは、具体的なホームタウンやホームスタジアムは示されなかった(?)と思う。地域名がチーム名に入るのが条件であるし、実際にチームと地域がリンクするチームは、ファンの間ではまだ少ないのではないだろうか。釜石や府中のサントリー、東芝、熊谷のパナソニック、神戸の神鋼あたりはイメージがつきやすいが、他はどうなのだろう。積極的に活動して横浜がホームタウンとなったキヤノン以外はニュースで見ることは無かった。むしろ花園ラグビー場やノエビアスタジアムの指定管理者の入札にラグビー団体が敗れたニュースなど、マイナス面も目立っている。本来なら、「おらが町にラグビーチームができる」的なコンセプトのもとに地元のロイヤリティを醸成していくのが基本形でしょうが、今一つ見えてこないのが正直なところ。バスケットボールのBリーグを手本にしているのかどうかはわかりませんが、新リーグの柱であることには間違いないはず。

3.まとめ

連休中は、自宅に籠っているので掃除くらいしかやることがなくて、ノンビリと書き綴りましたが意外と疲れました。もう本筋は決まっている話ですからね・・・。一気に書くことができなかったので、下書きしながら数日かかりました。
「まとめ」といってもまとめることもないので、自分だったらどう考えますか?こうすれば面白そう!?という連休の宿題の答えとしてまとめました。24チームでディビジョンは3つという前提でのアイデアのエッセンスというか雑記です。
  1. 新リーグのスタートは1年延期
    オリンピックを死んでも開催するというほど、来期の新リーグの開催にこだわる必要はないのではと思います。コロナが終息しているとは限りませんし、運営上の準備や体制作りの時間も必要だと思います。来期は新リーグのプレシーズンのような形で開催して、課題を見つける1年にする。
  2. ディビジョン分け
    "文句なし"という理屈で、今季の成績を基準に均等に8チームごとに3分割します。ホームスタジアムなどの要件は、すべてのチームが満たす予定にあるという前提です。
    ●ディビジョン1 : サントリー、パナソニック、神戸製鋼、トヨタ自動車、クボタ、NTTドコモ、リコー、キャノン
    ●ディビジョン2 : NTTコム、東芝、ヤマハ発動機、日野、Honda、三菱重工、NEC、近鉄
    ●ディビジョン3 : 宗像サニックス、豊田自動織機、清水建設、釜石SW、栗田工業、九州電力、マツダ、中国電力
  3. 大会フォーマット
    ●ディビジョン1・2・3とも総当たりの2回戦(ホスト&ビジター)
    ●ディビジョン1と2は総当たりの交流戦を1回戦(ディビジョン1のホストで開催)
    ●プレーオフトーナメントは実施せず、各ディビジョンの結果で順位を決定(交流戦の結果は順位に反映する)
    試合数的には、現行案とそん色は無いと思います。
  4. 入替戦
    ●ディビジョン1の4〜8位とディビジョン2の1〜4位でのたすき掛けでの対決。ディビジョン1の勝ったチームは残留・負ければディビジョン2に降格、ディビジョン2で勝ったチームはディビジョン1に昇格、負けたチームはディビジョン2に残留する。
    ●ディビジョン2の4〜8位とディビジョン3の1〜4位でのたすき掛けでの対決。ディビジョン2の勝ったチームは残留・負ければディビジョン3に降格、ディビジョン3で勝ったチームはディビジョン2に昇格、負けたチームはディビジョン3に残留する。
  5. マーケティング
    肝は、3つのディビジョンの真ん中の「ディビジョン2」を中心に盛り上げていくことです。要はディビジョン2以下を沈ませないためにどうするのかがポイントです。
    ディビジョン1は、これまでのトップリーグとそれほどイメージは変わらず、優勝するメリットは今のところ「クロスボーダーマッチの出場権」ということになります。
    ディビジョン2は、全チームが入替戦に関わり、とてもスリリングな1年となります。例えば、ディビジョン1の「クボタ、NTTドコモ、リコー、キャノン」とディビジョン2の「NTTコム、東芝、ヤマハ発動機、日野」が入替戦で一発勝負で戦ったとしたら、勝敗の行方がわからずかなり面白いし、結果としてディビジョン1の活性化につながると思います。
    ●TV放映
    清宮さんが頑張るところだと思いますが、ディビジョン1と2は専門チャンネルでのオンエアを中心に試合によってはBSや地上波キー局、独立U局、ディビジョン3はオンデマンドでのオンエアを確保できると素晴らしいです。
    ●イベント
    ディビジョン2と3は、リーグの順位とは関係ありませんが、大学チームとの交流戦的なトーナメント戦を開催するのが面白いと思います。
ここまでが空想の話です。夢から覚めると、現実は23日にトップリーグのトーナメントは終わり、6月には新リーグの名称が発表されます。谷口さんが表舞台から消えて、またラグビー経験者の面々で回していくようですが、ファンの一人としては成功を期待しています。まずは、コロナの動向をしっかりと意識して、「急いては事を仕損じる」ではありませんが、じっくりと焦らずやっていただきたいと思います。

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