
銀行のキャッシュカードの更新に窓口に行った。
生体認証にしているので、定期的にカードの更新と認証登録をしなくてはならないが、これもセキュリティとリスク管理の一環である。
私が順番を待っている間、老夫婦が先に窓口に呼ばれて、話し始めた。
銀行は順番を待っているシートと窓口の距離があまりないので、結構行員と客との会話が聞こえてくる。
老夫婦は、ほぼ夫人の方が話しているのだが、定期預金を500万解約したいと申し出ているようだ。
こういったシニアの高額の預金の解約の場合、“オレオレ詐欺”の水際対策が発動されて、窓口担当が突っ込んだ質問を丁寧に行い、事実確認をするようになっているというのが今回リアルにわかった。以下会話の要旨。
窓口「何か具体的な使途が決まっていて解約されるのですか」
夫人「いや決まっていない。現金で持っていたい」
窓口「それはとても危険ですよ。ご自宅に金庫はあるのでしょうか」
夫人「金庫はある」
窓口「金庫があっても空き巣に狙われて全部盗まれてしまう場合もあります。一旦、解約した定期預金を普通口座に移されて、使う分だけをキャッシュカードでお引出されたらいかがでしょうか」
夫人「とにかく手元に持っておきたい」
窓口「お子さんやお孫さん、警察等を名乗るものから連絡はありましたか?また投資話などの勧誘はありませんでしたか?」
夫人「そういったものはない」
窓口「金額がとても大きいのですが、何か高額のお支払をする件がある場合、その請求書等の類はありますか」
夫人「そのようなものはない」
窓口「具体的な使途が決まっていない状態で、大口の現金を引き出される場合、警察の方に連絡することになっています。今、ここで警察にご連絡することにご協力いただけますか」
夫人「最近の銀行は、細かくなってお金おろすのも大変だね」
窓口「そうなんです。ご迷惑おかけしてすいません」
等々、結構長くやりとりしていた。結局、解約をあきらめて帰るようだった。
これだけ細かく質問して、相手に時間をおかせて考えると、いったん年寄側も冷静に考える時間とチャンスを与えられるわけだから、この対策は良いことだと思います。
ただこの対応に30−40分使われると待っている方は辛いのだけれど、仕方ない。
ATMでの振込制限などもあって多額の現金は、預金者に解約させた後、レターパックや宅急便などの配送を使わせたり、受け子に取りにいかせたりと、いたちごっこが続いている。
日本は、年寄が一番お金を持っている。マーケティング的にみれば、お金を持っている彼らに消費をさせたいのだが、商品を買ってもらうわけでなく、彼らの預金をごっそり侵奪する手口は、超ハイリターンの犯罪だ。
詐欺で取られた金額が消費に回れば、どれだけ世の中が活性化されることか。
私の実家の両親にも、手を変え品を変え、詐欺の電話が多い。
詐欺とかマルチ商法は、騙す者と騙される者が存在して成立する。どうやらDNAがあって、騙される人間は、何度でも騙されるらしい。マルチをやっている人間は、かつての豊田商事事件など世間をにぎわせた悪徳商法の残党がやっているらしい。結局騙す側も更生しないでずっと同じ道を歩いているのだ。。
こんな卑劣な犯罪が根絶される世の中がくるといいのだが。
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