
個人的には松本清張作品のファンでDVDも何作か持っている。
ただ私の年代的にはTVドラマが入口となっていて、TV放映(主に2時間もの)中心プラス時たまTV放映された過去の映画の数々を観て更に興味を深めたというのが、清張作品との関わり方であった。
今日はBS NTVで『ゼロの焦点』火曜サスペンス劇場版を放映していた。1991年放映、真野あずさ主演でこれはリアルタイムで視聴した作品。当時の記憶では、かなりの秀作だった。
放映時間尺は特番扱いで2時間半、クレジットを見ると、脚本が何と名匠新藤兼人、監督が東映の鷹森立一と豪華な面々。キャスティングも刑事役に林隆三、主人公の義兄に岸部一徳、犯人役は増田恵子その夫に神山繁、その他ちょっとした役で新藤氏夫人の乙羽信子も出ていて、奇をてらった感の無いまさに適材適所の配役。時代設定も1950年代後半、セットもTVドラマにしては極力作りこんで頑張っている。何と言っても真野あずさが美しい。彼女は火サスでは、監督の鷹森立一と組んだ弁護士高林鮎子シリーズがあるが、断然本作の方が魅力的だ。
ストーリー展開もテンポよくスリリング。ただ当時の記憶から飛んでいたラストシーン、元のオリジナル版映画(久我美子主演)が、これが2時間サスペンスものの“元祖”“原点”と呼ばれている断崖絶壁での主人公と犯人の対峙するシーンではなく、犯人は自ら小舟で沖まで出て入水自殺を図る(それを断崖から見つめる主人公と刑事、犯人の夫)というエンディングに脚色されている。
この抒情的なエンディングは、新藤クオリティと言うべきでしょう。
テレビ朝日がメインになって松本清張作品のドラマ化に力を入れていますが、彼の作品が時代を超えて受け入れられるのは、その色あせない人間の業と深層心理を抉る描写が日本人に受け入れられ続けているからだと思います。
★オリジナル版で、こちらも秀作
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