渡津家

秋の季節は、毎度の番組改編期。2時間どころではない3時間、4時間もの特番が繰り返される1年中で最も番組のクオリティが劣化する季節だ。
低俗なバラエティのレギュラーの特番を筆頭に、警察潜入もの、大家族、大食い系などなど真新しさのないラインナップが続く。
私はここのところ、大家族系はチェックしているものの、もう完全なネタ切れである。もはや「大人たちの都合」でしか番組は作られていない。
「痛快!ビッグダディ」は、当初の家族のサバイバルなどのテーマは完全消滅。夫婦の痴話げんか、離婚危機など芸能人でもないのにスキャンダルでネタを作り、しかも2週にわたってのオンエア・・・
視聴率3冠を取ったテレビ朝日にとっては、新しい番組を作るリスクより、「ビッグダディ」を流しておけば、まだ安定した数字が取れるという算段。だから終わっているにもかかわらず、だらだらと続けている。しかしながら田舎の汚い大家族の映像を延々と流されても飽きられるから、ここ数年は完全なエセ・ドキュメンタリーと化して、書かれたシナリオの上で成立している。
そこで前回の「なんちゃって離婚危機」に続いて今回は「別居危機」。どうでもよくなったので録画した番組を早送りして、15分ほどで見終わりました。後半は多分見ないでしょう。
そしてもう一つは、TV東京の渡津家である。こちらは貧乏系家族である。ビッグダディは貧乏かどうかといえば、彼らは番組上だけ貧乏を演じている家族だから、答えはNOだといえるのでは。
こちらはお父さんが島根で安月給ながら必死に働く姿が痛々しい。やせこけていて、そのうち倒れるのではという様相だ。ネットでは“春風亭”と称される文句タラタラの奥さんに惚れた弱みかなんかで、まああれだけ狭い市営住宅でせっせと頑張っているのは偉いと思う。
こちらももともとはネタといえば、問題娘系三女のネタしか実はなく、それで半分は成立しているシリーズだが、今回も三女の暴走はとどまるところを知らない。ようやく施設から引き取ることが出来た長女がいつのまにかまた施設へ戻ってしまっている・・・そして本人はお腹が大きくなっていてご懐妊!!・・・だけど夫は浮気していると思い込み(TV向けのネタ作りだと思いますが)という顛末。まあどうでもいいのですが。
必死に働いているお父さんに文句ばかり言う春風亭・・・夏休みのレジャーということでお馴染みのお助けマン、お父さんのお兄さん家族が登場、もいつもどおりの展開。おじさん、ずっと長袖だったのに今回半袖だったのがインパクト大・・・どうしたんだろう、というか隠していたものはどうなったんだろうという不思議・・・
渡津家のテーマは、“DNA”の連鎖でしょう、母親と三女、血は争えないというシンプルなお話である。

大家族ものは、日本人の横並び意識やアンチテーゼに応える企画しやすいバラエティだ。
彼らの生態を見ることで、自分たちはまだまだ大丈夫とTV的に安心させ、視聴者のリピーターを作るというのが、番組作りのコンセプトで、これがTV的に受ける限りは延々と続くことになるだろう。
ただしこれだけ生活保護が増えて貧乏が当たり前になってくるとこういう番組自体のリアリティはなくなってくるんでしょう。

やっぱり「漂流家族」みたいなリアリティが欲しいなあ。
ザ・ノンフィクション/漂流家族〜竹下家の9年